はかますたいる!きょろの技的雑記

井上恭輔(@kyoro353)の私的かつ技的な日記です。米国サンフランシスコで暮らすエンジニアです。

音楽の記憶

音楽には記憶が宿るのだということを、最近常々感じる。

ニコニコ動画の登場で、
聞く分にはグレーな感はあるものの、
レンタル屋などの普通の方法ではなかなか手に入りにくい、
往年のゲームやアニメの楽曲を高音質で聞くことができるようになった。


自分にとっての往年とは、まさに高専低学年のとき。


もっとも感受性が豊かで、
もっとも繊細で、
もっとも傷つきやすく、
毎日に感動し、
万事を身体全体で受け止めることができた。


技術力の無さが悔しく、
だけど、きっと努力でどんなものでも作れると頑なに信じ、
ただ我武者羅に、
寝ても覚めてもモノを作っていた日々。


創作行為のみが正義と信じ、進んで睡眠時間を削った。


VisualStudioでコードを書く自分に酔い、
Photoshopに触れていることが楽しく、
LightWaveのショートカットを覚えるのが幸せで
AfterEffectsで作れないものなんて無いと思っていた。


ものづくりが、心から楽しかった。


そんな時、いつもパソコンに向かう僕はヘッドホンをして
ゲームやアニメのサントラをBGMに
日が昇るまで作業を続けた。


今、そのとき共にあった曲を聞き返すたびに、
当時の情景、視界、心が躍る気持ち、セカイ、
そういったものたちと一緒に、
抱いていた夢を思い出す。


そのたびに、
失ったものなど何も無いと自分に嘘を付くたびに、
心が締め付けられるように苦しくなって、
目の奥が熱くなる。


僕はいつから「大人」になってしまったんだろうか。


「すべての創作は感動から生まれる」


この言葉の持つもうひとつの意味がわかった気がする。
感動を、感動で終わらせてはいけないのだ。